IT業界の動向とITエンジニアに求められること

IT業界は、需要が増す一方で、深刻な人材不足の状態が続いている。ネットショッピング等の業界に限らず、あらゆる企業がIT技術の導入を余儀なくされる状況で、社会全体をIT業界が支える構造になりつつあるのだ。

たとえば、社会の高齢化が進み介護事業は拡大しているが、介護職員の人手不足を補うため、IT技術の導入が喫緊の課題となっている。高齢者の徘徊を防止するため動体探知機を利用した見守り機能などには、IT技術が大いに役立つのだ。

こうしたITシステムや営業拡大に役立つアプリの開発には、専門的スキルを備えたITエンジニアが欠かせない。そこで、IT業界に新たに参入する技術者が少なくないのである。
もっとも、IT業界で働く上で、必ずしもIT企業に勤務する必要はなく、個人事業主として独立開業する技術者も多い。

原則としてパソコンとネット環境さえあれば、ITエンジニアは作業できるので、独立開業しやすい業種だと言えるだろう。
ただし、IT業界で個人事業主が生き抜くには卓越したIT技術だけでは不十分である。

IT業界で仕事をする上で、仕事を受注する営業力に加え、取引先との交渉や連携する技術者との協力に生かせる協調性は重要だ。簡単なアプリなら独力で完成できることもあるが、報酬は低いだろう。大抵の場合、注文者や他の技術者と細かい打ち合わせをしながら、仕事の完成を目指すことになる。

したがって、独立開業したIT技術者は高度のコミュニケーション能力を求められるのだ。関係者と円滑なコミュニケーションを図り、クライアントの要求を的確に実現できる技術者は重宝される。